一般貨物自動車運送事業とは、いわゆる営業ナンバー(緑ナンバー)事業者のことで「トラックを使用して、お客様の貨物を運送する事業」のことをいいます。
運送の依頼を受け、運賃を受け取る場合は、この一般貨物自動車運送事業にあたります。
許可要件
営業所
?建物が都市計画法、建築基準法、農地法等の法令に抵触していないこと。
?営業所として適切な規模(広さ)があること。
?1年以上の使用権限を有すること。
判断例
1.市街化調整区域内の場合、基本的には認められません。但し、要件を満たせば可能となる場合もあります。
2.申請時に賃貸であれば契約している必要があります。また、店舗、事務所の用途の建物が望ましいです。
車両数
?営業所ごとに、運行に必要な車両を5台以上確保することが必要です。
申請時に使用権限が必要なので、購入の場合は、売買契約書、リースの場合はリース契約書が必要です。
車庫
?車庫が都市計画法、建築基準法、農地法等の法令に抵触していないこと。
?車両すべてを収容できる十分な広さを確保すること。
?営業所から10キロ以内位置すること。但し、東京都特別区内、横浜市、川崎市に営業所を設置する場合は20キロ以内となります。
?前面道路幅が原則として6.5m以上あること。
車庫必要面積の計算式
1.車両の積載量で必要な広さが決まっています。
7.5トンを超える車両 = 38㎡
2.0トンロング超~7.5トンまでの車両 = 28㎡
2.0トンロングの車両 = 20㎡
2.0トンまでの車両 = 15㎡
例)10t車5台であれば、5台×38㎡で190㎡が必要となります。
2.農地は原則認められませんので注意が必要です。
休憩・睡眠施設
?建物が都市計画法、建築基準法、農地法等の法令に抵触していないこと。
?乗務員が有効に利用できる適切な施設であること。
?睡眠を与える必要がある場合は、1人あたり2.5㎡の広さを有すること。
?原則として営業所または車庫に併設していること。
?1年以上の使用権限を有すること。
資金要件
?自己資金が所要資金の2分の1以上であること。
※自己資金とは…
新設法人であれば = 資本金
既存法人であれば = 資本金+利益剰余金
※所要資金とは…
所要資金 | |
車両費 | 取得価格(リースの場合は1年間のリース料) |
車両以外の固定資産費 | 施設の取得価格または1年分の賃貸料 |
保険料 | 各種保険の1年分 |
自動車税 | 1年分 |
自動車重量税 | 1年分 |
運転資金 | 人件費・燃料費・油脂被・修繕費・タイヤチューブ費・備品費等の2ヶ月分 |
登録免許税 | 12万円 |
必要書類
法人の場合
?定款
?会社の履歴事項全部証明書(登記簿謄本)
?直近の決算書の写し
?役員の履歴書(最終学歴から現在の職歴まで)
個人の場合
?戸籍抄本
?残高証明書
?履歴書(最終学歴から現在の職歴まで)
法人・個人共通
?営業所等の施設が都市計画法令等に抵触しないことの宣誓書
?欠格事由に抵触しないことの宣誓書(役員全員)
事務所・車庫に関する書類
?賃貸契約書の写し ※賃貸の場合
?登記簿謄本 ※自己所有の場合
?事務所・車庫の図面(営業所の見取図、平面図等)
?道路幅員証明書
車両に関する書類
?車検証
?リース契約書
?ローン契約書 or 売買契約書 or 売渡証明のいずれか
ご依頼から許可取得、事業開始までの流れ
1.お問い合わせお申込み
まずは当事務所へお問い合わせいただき、準備状況をご相談ください。
営業所や車庫等の施設が許可審査基準に適合しない場合は、許可の取得ができません。
特に車両、物件の購入・賃貸契約を行う前には必ずご相談ください。
2.現状の把握及び許可要件の確認
お客様の計画をご確認し、許可要件の適合性を診断いたします。
変更すべきことや不足する事項等をご提案いたします。
なお、診断には管轄運輸支局との協議や確認が必要になることもあります。
3.許可申請書類作成
~ 営業所・自動車車庫・車両の書類準備 ~
?実地・用途条件等の調査
?幅員証明の取得
?運送業開業資金等計算及び資金要件対応検討
?現地確認(写真・測量)
?申請用図面(営業所・休憩睡眠施設・車庫)作成
?その他必要書類の準備
4.許可申請書の提出
許可申請書類の必要箇所に押印していただき、管轄運輸支局に提出いたします。申請書の控えをお送りします。
5.役員法令試験(自動車六法の持参可。50問中8割以上の正解が必要)
申請書受理の翌月に、法令試験の受験の案内が届きます。
受験者は個人事業の場合は代表者、法人の場合は運送事業に専従する常勤の役員となります。役員法令試験に合格しないと許可を受けることができません。
6.補正(申請から約3カ月後)
申請状況により補正することがあります。運輸局担当者及びお客様と相談の上補正をしていきます。また、途中で申請内容に変更が出た場合には、許可前、許可後に変更申請で対応します。
7.許可証の交付(申請から約4カ月後)
最終的に申請内容に問題なければ、許可が下ります。その場合には登録免許税(12万円)の納付案内が届きます。
8.事業用ナンバー取り付け、運行管理者・整備管理者選任届
車両のナンバーを緑ナンバーへ変更します。さらに運行管理者及び整備管理者を選任に届出します。
8.運輸開始届
全ての作業完了後に、運輸開始届を提出します。これで事業を開始することが出来ます。
また、許可後から1年以内に開始届を提出しないと許可が取り消されます。
役員法令試験
一般貨物運送業申請が受理された後に関東運輸局より法令試験の案内(実施通知書)が届きます。
申請者(法人の場合は常勤役員1名)が受験者となり、法令試験を受験し合格しなければなりません。
(平成20年1月より実施)
法令試験の公示内容
1.試験を実施する許可等申請事案
申込手続き等を行う必要はなく指定された日時に受験することになります。
1.一般貨物自動車運送事業(特別積合せ貨物運送をする場合を含む。)の経営許可申請
2.一般貨物自動車運送事業(特別積合せ貨物運送をする場合を含む。)の事業の譲渡・譲受、合併および分割(一般貨物自動車運送事業の許可を取得している既存事業者が存続する場合は除く。)、相続認可申請
3.特定貨物自動車運送事業については、上記に準じる。但し、特定貨物自動車運送事業の譲渡・譲受、合併および分割・相続については除く。
法令試験の実施時期
1.法令試験は、毎月1回以上実施する。
2.初回の法令試験は、原則として許可申請書等を受理した月の翌月に実施することとし、法令試験の実施予定日の前までに、実施予定日時および場所等を記載した書面を郵送等により申請者あて通知する。
3.初回の法令試験を実施した結果、合格基準に達しない場合は、再度の法令試験を実施することとし、この場合は 2 に準じて再度通知する。
【関東運輸局の場合】
2回不合格になると申請を取り下げ、再申請が必要となります。
受験者の確認等
当該申請に係る受験者は、試験当日の開始前に申請人本人(申請者が法人である場合は、許可または認可後、申請する事業に専従する業務を執行する常勤役員1名を受験者とする。)であることが確認できる運転免許証、パスポート等を提示すること。
出題範囲いおよび設問形式等
1.出題の範囲(以下の法令等については、法令試験の実旋日において施行されている内容から出題する。)
1.貨物自動車運送事業
2.貨物自動車運送事業法施行規則
3.貨物自動車運送事業輸送安全規則
4.貨物自動車運送事業報告規則
5.自動車事故報告規則
6.道路運送法
7.道路運送車両法
8.道路交通法
9.労働基準法
10.自動車運転者の労働時間等の改善のための基準
平成元年2月9日 労働省告示第7号
11.労働安全衛生法
12.その他一般および特定貨物自動車運送事業の遂行に必要となる法令等
2.設問方式
○×方式および語群選択方式とする。
3.出題数
30問
4.合格基準
出題数の8割以上とする。合格基準に達しない場合は、再試験を実施する。
※合否の判定は受験日当日に分かります。
5.試験時間
50分とする。
その他
1.自動車六法等(情報通信機器(パソコン等)を除く。)の持ち込みを可とする。
2.試験当日、受験者は筆記用具を持参すること。
※受験者の確認として運転免許証または、パスポートの持参も必要となります。
附則
1.この公示は、平成20年7月1日以降に受け付けた申請について適用する。
監査・行政処分
監査について
監査の種類には下記の5種類があります。
1.特別巡回指導
運輸開始後6ヵ月以内に適正化指導員による施設確認等の巡回指導。
2.呼び出し指導
下記(3~5)までの監査を受けていない事業者であって、指導を行うことが必要と認められる事業者に対して、自主点検票を提出させて行う指導。
3.呼び出し監査
下記(4.5)以外において、違法性がある事業者に対して原則として重点事項を定め事業者を呼び出して行う監査。
4.巡回監査
過去の監査・処分・事故状況および通報・苦情等により、著しい違法性の疑いがある事業者に対して、原則として重点事項を定めて行う監査。
5.特別監査
運転者が社会的影響の大きい事故(死亡事故、酒酔い運転等悪質違反を伴う事故)を引き起こしたまたは悪質違反を犯した事業者であって、過去の監査・処分・事故状況および通報等を勘案し、随時、監査が必要であると認められる事業者に対して、全般的な法令遵守状況について特別に行う監査。
行政処分について
行政処分の種類は、軽微なものから順に、自動車その他の輸送施設の使用停止処分、事業の全部または一部の停止処分および許可の取消し処分がある。 なお、これに至らないものは、軽微なものから順に、口頭注意、勧告、警告がある。
点数制度による行政処分
違反に応じた日車数の自動車の使用停止処分のほか、処分日車数10日(車両×日)ごとに1点と換算した点数に基づき、次のとおり行なわれる。
1.当該営業所の業務停止処分
?3年間の累計点数が30点以下で270日車以上の処分を受ける場合
?3年間の累計点数が31点以上で180日車以上の処分を受ける場合
2.全営業所の事業停止処分
?3年間の累計点数が51点以上となる場合
3.事業許可の取り消し
?2年間に4回目の事業停止処分を受けることとなる場合
?3年間の累計点数が81点以上となる場合
(累計点数の管理および行政処分等は、原則として運輸局ごとに行なわれる)
点数制度によらない行政処分
事業許可の取り消し
?自動車等の使用停止命令または事業停止命令の違反
?上記命令に伴う自動車検査証返納命令または登録番号標領置命令の違反
?事業計画に従うべき命令違反、輸送の安全確保命令違反
?事業改善命令違反、公衆の利便阻害行為等の停止命令違反
?名義貸し・事業の貸し渡し等で反復・継続的なものの違反
?検査拒否等の違反
?運行管理者の資格取り消し
?運転者が有責の重大事故を惹き起こし、多数の死傷者を生じたような場合、その他社会的影響度の大きい事故の場合
?過労運転若しくは過積載運行が計画的または恒常的に繰り返して行われていた場合
?運転者に対する適切な指導および監督を怠り恒常的に速度違反が行なわれていた場合等
処分を受けると事業者名が公表されます。
自動車の使用停止処分、事業停止処分または許可の取り消し処分を受けた場合や累積点数が21点以上になった場合などについては、運輸局のインターネットホームページを通じて公表されます。
分割認可申請とは
一般貨物自動車運送事業たる法人が分割をする場合において、一般貨物自動車運送事業を承継させるために認可を受けることです。
分割認可申請に必要な書類
1.分割契約書(新設分割の場合にあっては、分割計画書)の写し
2.分割の方法および条件の説明書
3.分割により承継する法人が現に一般貨物自動車運送事業を経営していない場合の添付書類
既存の法人 | 1.定款または寄附行為および登記簿の謄本 2.直近の事業年度における貸借対照表 3.役員または社員の名簿および履歴書 4.定款の変更が必要な場合は、株主または社員総会議事録の写し 5.法第5条(欠格事由)各号のいずれにも該当しない旨を証する書面(宣誓書) |
法人を設立しようとするもの | 6.定款の写しまたは寄附行為の謄本 7.発起人、社員または設立者の名簿および履歴書 8.設立しようとする法人が株式会社または有限会社である場合、株式の引受けまたは出資の状況および見込みを記載した書類 9.法第5条(欠格事由)各号のいずれにも該当しない旨を証する書面(宣誓書) |
4.申請に伴って事業計画を変更しようとする場合の添付書類(内容が変更されるものに限る)
1.施設の案内図、見取図、平面(求積)図
2.都市計画法等関係法令に抵触しないことの書面(宣誓書)
3.施設の使用権原を証する書面
自己所有 - 不動産登記簿謄本等
借入 - 賃貸借契約書等
4.車庫前面道路の道路幅員証明書(前面道路が国道の場合は不要)
5.計画する事業用自動車の使用権原を証する書面
車両購入 - 売買契約書または売渡承諾書等
リース - 自動車リース契約書
自己所有 - 自動車車検証(写)
6.事業用自動車の運行管理等の体制を記載した書類
5.事業計画対照表
譲渡し譲受けの認可申請とは
A社の一般貨物自動車運送事業の経営権をB社が譲り受けて一般貨物自動車運送事業を経営するために認可を受けることです。
譲渡し譲受け認可申請に必要な書類
1.譲渡譲受契約書の写し
2.譲渡し譲受けの価格の明細書
3.譲受人が現に一般貨物自動車運送事業を経営していない場合の添付書類
譲受人が既存の法人の場合 | 1.定款または寄付行為の写しおよび登記簿の謄本 2.直近の事業年度における貸借対照表 3.役員または社員の名簿および履歴書 4.定款の変更が必要な場合は、株主または社員総会議事録の写し 5.法第5条(欠格事由)各号のいずれにも該当しない旨を証する書面(宣誓書) |
譲受人が新たに法人を新設しようとする場合 | 6.定款の写しまたは寄附行為の謄本 7.発起人、社員または設立者の名簿および履歴書 8.設立しようとする法人が株式会社または有限会社である場合、株式の引受けまたは出資の状況および見込みを記載した書類 9.法第5条(欠格事由)各号のいずれにも該当しない旨を証する書面(宣誓書) |
譲受人が個人の場合 | 10.資産目録 11.戸籍抄本 12.履歴書 13.法第5条(欠格事由)各号のいずれにも該当しない旨を証する書面(宣誓書) |
4.事業計画等新旧対照表
5.申請に伴って事業計画等を変更しようとする場合(内容が変更されるものに限る)
1.施設の案内図、見取図、平面(求積)図
2.都市計画法等関係法令に抵触しないことの書面(宣誓書)
3.施設の使用権原を証する書面
自己所有 - 不動産登記簿謄本等
借入 - 賃貸借契約書等
4.車庫前面道路の道路幅員証明書(前面道路が国道の場合は不要)
5.計画する事業用自動車の使用権原を証する書面
車両購入 - 売買契約書または売渡承諾書等
リース - 自動車リース契約書
自己所有 - 自動車車検証(写)
6.事業用自動車の運行管理等の体制を記載した書類
【貨物自動車利用運送を行う場合】
7.営業所の使用権原を証する書面(実運送と同一の場合は、省略)
自己所有 - 不動産登記簿謄本等
借入 - 賃貸借契約書等
8.貨物の保管体制を必要とする場合は、保管施設の面積、構造および附属設備を記載した書類
9.利用する事業者との運送に関する契約書の写し
全国で運送事業者数は60,000社あります。その中で、中小企業は99.9%を占める脆弱な業界の体質があります。その中小企業の運送事業者を取り巻く近年の経済環境は非常に悪化しております。運賃カット、原油の高騰、労働問題等様々な問題を抱えています。
当然ながら荷主、大手運送事業者は法令順守(コンプライアンス)を重視した経営を重んじており、下請けの運送事業者に対しても同じ水準を求めてきます。これは、本来当たり前のことですが、中小の運送事業者では体力がなくすべての条件をクリアできる事業者は限られてきます。管理徹底することは経営者の義務であり責任であります。しかし、今の経済状況の中で人員をさき管理するには非常に困難を極めます。
そこで、運送業経験のある行政書士を中心とし、運送事業者様の経営のお手伝いをし、少しでも力になることが当事務所の目標です。
運送事業者だけではなく、利益を追求することが会社経営の基本です。いかに効率よく車両を動かし、利益を上げるかが運送業の収益の基本です。当然、車両を動かすには運転手(従業員)が必要です。車両は24時間365日稼動できますが、運転する運転手(従業員)の教育、管理が問題視されています。目先の利益だけで酷使すると大きな落とし穴に落ちてしまいます。
テレビ等のメディアでは痛ましいトラック、バスの事故のニュースが絶えることなく、今まで以上に安全管理に対する姿勢、リスクマネジメント、コンプライアンス等に対して企業責任が問われる時代となりました。
平成24年5月14日には大臣官房運輸安全管理官室より「運輸安全マネジメント普及・啓発推進協議会の設立及び第1回会議の開催について」のプレスリリースも出ており運輸安全マネジメントの取り組みについて官民連携により、普及・啓発の強化を図っていくことが示されました。
そこで、当事務所で運送事業者様専門のコンサルティングプログラムを構築しました。
運送業コンサルティング契約
運輸安全マネジメントを指導することを中心とした実務上の事故を軽減することを目的とし、労務管理の見直し、監査の対応、経費(保険料)、管理体制の構築(物流管理システムの構築)、燃料の削減を提案していきます。
月額50,000円~ (10台以上の車両1台に付き+2,000円)
日常業務帳票類整備(月単位の集計)
管理関係書類整備(月単位の集計)
運輸安全マネジメントの作成
事業報告書の作成
実績報告書の作成
監査対応
他許認可業務30%ディスカウント
他オプション
Gマーク(安全性優良事業所)取得コンサルティング
グリーン経営認証 取得コンサルティング
保険代理店との提携による保険料の見直し
GPS車両管理システム等の管理システムの御提案